半年間の軌跡 前編(長久手教室)
今から4年程前、湊が他教室の教室長を
していた時に受け持ったある生徒のお話です。
夏休みに入り、夏期講習会が始まった直後。
20時過ぎだったでしょうか。
飛び込みのお客様がいらっしゃって、
「即入塾したいんですけど。」と一言。
普段ならばお子様の学習状況を確認し、
塾の説明をし、無料体験のお話をするという
流れなのですが、その場で入塾面談という
かなり特殊なケースで入塾が決まり、
「明日から息子がお世話になります!」と
足早に帰っていきました。
簡単に学習状況は聞いたのですが、
中3の男の子だったのですが、
何でもずっと部活漬けで、まともに
勉強をしたことがない。
部活を引退したら塾に通わせるつもりだったようで、
引退した直後にいらっしゃったとの事でした。
いざ、授業初日。
まずは中1の英語確認テストを実施しました。
今でもはっきり覚えています。
カッコ内にあてはまるbe動詞を入れなさい。という
割と易しめな問題で、
Yumi and I (is)~
These (is)~
と書いていました。(正解はどちらもare)
これを見たときに
「あ、これは真面目にやばいパターンだな。」
と思ったのを覚えています。
その時、既にに7月の終わり。
受験生が入塾してくるのにはかなりギリギリの
タイミングでbe動詞すら理解していない。
もちろん他の単元もボロボロ。
理科は得意だったので悪くはなかったのですが、
(定期テストで平均より少しプラスになるくらい)
他3教科は英語同様、中1内容もおぼつかない状態。
彼の志望校はその当時の彼からすると
かなり高めでした。
「わかっているとは思うけど、、、」と
前置きして、これから空いている全ての時間を
勉強に充ててもらわないと公立入試は
戦えないという旨を伝えました。
入塾2日目にはその子専用のテキストを用意し、
即やらせることに。
(その時作った英語のオリジナルテキストは
まだデータが残っていました。 懐かしい!!)
まずは基本的な勉強法を伝え、そのテキストを
単元ごとに説明し、解かせていたのですが
その時にいくつか気が付いた事がありました。
まず「吸収しよう!」という姿勢が凄かった事。
今の現状に向き合いつつ、できる事は全てやる
というギラギラした姿勢でした。
次に抜群の集中力を持っていた事。
元々バレーボール部でレギュラーを張っていた選手。
途中で集中が切れていた姿は記憶にありません。
そして頭の回転が速かった事。
この辺が理科が得意な要因だったのでしょうか。
ひらめき力に長けていました。
だから話をしていてもとても面白い子で、
大体授業終わってから30分は2人で
わいわい喋っていました(笑)
「この3点があれば大丈夫! 現時点で
勉強内容は確かに空っぽだけど、勉強の
土台はちゃんとできているからいける!」
そう感じました。
つづく
2019.09.05 | 長久手教室